『菜根譚』の第3回目は、”人づき合いの極意”です。まずは番組で紹介された「譲る思想」。「完名美節は、宜しく独り任ずべからず」【前集一九】の条は、我を張り合う中国の文化では、特異な主張でありますが、元来の日本人にはとても響く言葉ですね。昨今の成果・結果主義が横行するビジネス社会の中で、この「譲る・分け合う思想」がどんなにかビジネスコミュニケーションにスムーズさをもたらすのか、今一度よく考えたいところです。
次は友人への接し方として「自分の利害を離れる三分の侠気(義侠心)を持つ」【前集一五】。つまり、友人には打算で動かず、この友人のためであったら、自分の命を投げ出しても良いと思えるような心を持てといっています。ビジネスに友人が絡む場合、一歩誤ると友人を失う事態になりかねません。自戒したい条ですね。
三番目は、「悪人にも一筋の逃げ道を残す」【前集一四○】。黒田官兵衛による「高松城水攻め」での一筋の逃げ道を用意することで、敵はもはや無茶な抵抗をすることなく、勝利を手にしました。ビジネス上でも例えば部下の失敗をみんなの前で叱責、面子を潰すことを戒めている言葉といえましょう。人の面子・プライドは守ってあげる度量はとても必要なように思います。
そして最後は番組では紹介されていませんが、「清濁併せ呑む度量」(汚い土には作物が育つが、澄みきった水には魚も住まない。汚いものもあえて受け入れる度量を持ってこそ君子といえる。独りよがりの潔癖は避けるべきだ)【前集七六】も気に入った条です。清も濁も大きく包み込んでいく包容力。上に立つ者は、部下の能力をうまく引き出して、組織力として結集していく必要があります。どんな嫌いな相手にも、嫌いな部分にはしばらく目をつぶり、いい点を見つけて引き出してやる。これもビジネスリーダーには大事な仕事であって、そうあってこそ組織をまとめていくことができるといえるのではないでしょうか。
投稿者プロフィール
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少数意見の中にこそ真実のヒントが隠されている、と考えるマイナー・天邪鬼的発想が大好きな人間です!
好きな本・ドラマのジャンルは、冒険・歴史・伝記・古典。例えば、「スタートレック・ヴォイジャー」。どうにもならない場面に直面したときの考え方・決断力が描かれて、ヒトのロマンとは何かを考えさせてくれるドラマで大ファンです!
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