『菜根譚』の第2回目は、”真の幸福とは?”です。それまで人々の価値観を支えていた儒教が形骸化し、何が幸福かがゆらいだ時代、「菜根譚」は、形骸化した儒教道徳に、「道教」や「仏教」の中の最良の部分を取り入れ、あくまで現実に立脚しながらも、「富貴や名声によらない幸福」「欲望をコントロールすることの大切さ」「世俗を超えた普遍的な価値に身をゆだねることの重要性」などを説き、「幸福論」を再構築した、とされています。
私が印象に残った条は2つ。一つ目は「幸福は心の持ち方次第」【後集一○九】。意訳すると、「人生の幸不幸というのは、ものが決めるのではない。すべて自分の心の働きがつくりだすものだ」というもの。富貴や名声に執着しすぎると幸福は得られず、「足るを知る」【後集三○】ことで、欲望を抑える大切さを説いています。「有頂天」や「天狗」になることが足元を見えなくし、大きな失敗につながる原因になります。ビジネスの成功もただ欲望を過剰に持つべきではなく、節度をもった成功を目指すべきというところでしょうか。
そして二つ目は、「真の幸福は晩年にあり」【前集一九六】。私自身が人生80歳時計の3/4を迎えようとしていることもありますが、晩年こそが人は光り輝くのだ、と説く条は勇気をいただきます。人間、老いても死ぬ最後の瞬間まで、気力を充実させて、夕日のごとく絢爛に輝ける人生を送れたらどんなに幸せなことでしょうか。老いることにただ悲観することなく、逆に老いる中に、自分を錬成できる喜びを見つけ続けることこそが、菜根譚に教えられた「幸福論」のように思うのです。
投稿者プロフィール
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少数意見の中にこそ真実のヒントが隠されている、と考えるマイナー・天邪鬼的発想が大好きな人間です!
好きな本・ドラマのジャンルは、冒険・歴史・伝記・古典。例えば、「スタートレック・ヴォイジャー」。どうにもならない場面に直面したときの考え方・決断力が描かれて、ヒトのロマンとは何かを考えさせてくれるドラマで大ファンです!
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